クライゼン 転位。 クライゼン転位

クライゼン転位とは

クライゼン 転位

David W. MacMillan, 第一回 ドクター、ポスドク、独立はじめまで 有機化学の最先端を切り開き続けるMacMillan先生 有機化学を研究するならだれもがの論文を読んで、その芸術的な反応に何度も舌を巻いたことだろう。 最近の論文を見ているだけでも楽しいのだけれど、 MacMillan先生がどのような背景で、どのような流れで今の化学にたどり着いたかを調べてみることにした。 そこから一流研究者の研究戦略みたいなものが見つかればいいなと思っている。 ということで、何回かにわたってMacMillan先生の研究を研究してみたい。 MacMillan先生の略歴 図1. David MacMillan 外部リンク1より まずはMacMillan先生の略歴を見てみる。 1987-1991 Undergraduate degree in chemistry at the University of Glasgow. 1991-1996 Doctoral studies with Professor Larry E. Overman at the University of California, Irvine. 1996-1998 Postdoctoral research fellow with Professor David A. Evans at Harvard University. 1998 Dave began his independent research career at the University of California, Berkeley. 2000 Joined the department of chemistry at the California Institute of Technology. 2004 Appointed as Earle C. Anthony Professor of Chemistry at California Institute of Technology. 2006 Appointed as the A. Barton Hepburn Professor of Chemistry at Princeton University. 2006 Appointed as Director of the Merck Center for Catalysis at Princeton University. 2010 Appointed as Chairperson of the Department of Chemistry at Princeton University. 2011 Appointed as James S. McDonnell Distinguished University Professor of Chemistry at Princeton University. おおまかにとらえると 博士課程:Larry E. ただ最新原理による最新反応をバリバリ開発するMacMillan先生の出身が、割とクラシカルな化学が得意なOverman研、Evans研であったことは割と意外に感じた。 この時代MacMillan先生はどんな研究をしていたのだろうか? Overman研時代 今の論文報告ペースと質 がすごすぎるMacMiilan先生。 学生時代はというとそれほど多くの論文を出しているわけではない。 しかしながら Overman研時代に報告している - -7-deacetoxyalcyonin acetateの全合成は圧巻だ。 参考文献1 著者はMacMiilan先生とOverman先生の二人だけ。 要するに一人で合成したのだろう。 MacMillan先生の博士課程時代の仕事。 きれいな合成だ。 鍵反応はOverman研で前に開発されていたプリンス-ピナコール反応によるテトラヒドロフラン環構築。 立体を制御しつつきれいに縮環が構築される。 無理がなく無駄のないエレガントな合成だ。 MacMillan先生の源流は全合成なんだね、ちょっと私には意外に感じました。 Evans研時代 ポスドクは全合成から一転、反応開発に取り組んでいたようだ。 Evansアルドール反応でおなじみのEvans研でそのメインストリームの研究であるアルドール反応の開発に取り組んでいた。 参考文献2 スズ触媒を用いた不斉アルドール反応である。 ポスドク時代の仕事。 完成度が高い。 収率、ジアステレオ選択性、エナンチオ選択性すべて高い水準。 今の反応の完成度の高さはこの時代に身につけたものだろうか。 University of California, Berkeley時代 Evans研でのポスドクを経て独立したMacMillan先生。 ここからの論文ペースはちょっと異常。 今回は独立後の初論文を見てみよう。 ケテンを用いたルイス触媒によるクライゼン転位反応でなかなかおもしろい反応。 参考文献3 図4. 独立はじめの一報。 ケテンを利用したクライゼン転位反応は似ている反応が昔に報告されていて、本論文にも記載されている。 参考文献4 図5. 先行論文:ケテンを利用したクライゼン転位。 ケテンとアリルエーテルを反応させカチオン性の中間体を経てクライゼン転位する。 ただこの反応は非常に求電子性の高いケテンに限られていたようだ。 もしかしたらこの反応はOverman研時代から知ってたんではないですかね? MacMillan先生はケテンを用いるクライゼン転位に対しルイス酸触媒を用いることで基質のケテンの種類を増やすことができることを示した。 この反応の開発にあたり、 きっと転位反応が得意なOverman研時代の経験が生きているのだろう。 またルイス酸を使った反応開発はEvans研で身につけた知見が存分に使えたことだろう。 独立後の初仕事としてはすごく自然な始まりにみえる。 あとこの論文でめちゃくちゃ興味深いのは著者のメンバー。 全部で3人なのだがMacMillan先生は当たり前として、、、 T. Yoon。。。 ? V. Dong。。。 ? 今、超話題の一流有機化学者じゃん!! なんてこった! やっぱ優秀な人には優秀な人材が集まるもんなんですね。 独立しょっぱなのメンバーがこれとは。 Yoon先生はEvans研から、V. Dong先生はOverman研から。 なるほど、Yoon先生も Dong先生も学閥的につながっているとはいえ、いろんな選択肢がある中でMacMillan先生の新しい研究室に入ったのね。 David W. MacMillan, 第一回:ドクター~ポスドク~独立はじめまでのまとめ ・やはりというべきか、かなりエリートな経歴。 ・源流は全合成、しかも超ハイレベル。 ・独立した時はこれまでの経験を存分に活かす。 ・優秀な人間は優秀な人材を呼ぶことができる。 MacMillan先生の優秀さはなかなか真似できるものではないが、 個人的に独立後のテーマ設定に感心した。 Overman研で叩き込まれた転位反応をEvans研で学んだルイス酸の化学で反応開発する。 全合成は成果が早く必要な若手がやるには大変だし、Evans研の化学になってしまうアルドールをそのままやるわけにもいかない。 しかしその両方の知見を活かした反応開発。 もちろんいろいろな選択肢がある中で実際にこういった上手いテーマを設定するのは難しいけど、後から俯瞰すると「そりゃぁうまくいくよね」というような研究方針。 新しいことをはじめる方針として非常に参考になります。 MacMillan and L. Overman, 2 Evans, D. ; MacMillan, D. ; Campos, K. , 3 T. Yoon, V. Dong, D. MacMillan, 4 Malherbe, R. ; Bellus, D. HelV. Chim. Acta 1978, 61, 3096. 外部リンク 1.

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カルボン酸のHNMRについて

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これはすなわち、の炭素原子が一つ、酸素原子に置き換わった基質での反応である。 は通常可逆反応であるが、Claisen転位の場合には生成系が原系よりも熱力学的に安定であるため、 不可逆的に進行する。 転位の際には酸素原子の根元の不斉は転写される。 キラルなアリルアルコールは・などの手法で比較的容易に得られる。 これをClaisen転位に伏すことで、不斉炭素-炭素結合、とりわけ合成の難しい 不斉四級炭素中心や 遠隔位の不斉中心をも効率的に構築できる。 これは置換フェノールを得る手法の一つとなる。 基本文献• Claisen, L. Ber. 1912, 45, 3157. Claisen, L. ; Eisleb, O. Ann. 1914, 401, 21. Claisen, L. ; Tietze, E. Ber. 1925, 58, 275. Claisen, L. ; Tietze, E. Ber. 1926, 59, 2344. Tarbell, D. Org. React. 1944, 2, 1. Rhoads, S. ; Raulins, N. Org. React. 1975, 22, 1. Ziegler, F. Chem. Rev. 1988, 88, 1423. DOI:• Wipf, P. Comprehensive Organic Synthesis 1991, 5, 827. Castro, A. Chem. Rev. 2004, 104, 2939. DOI: 反応機構 熱的[3,3]シグマトロピー機構 協奏的 で進行する。 1,3-diaxial反発の最も少ない いす型六員環遷移状態を経由するとされる。 他に理由がない限り、反応の立体選択性はこれで説明される。 反応例 酸素親和性の高いLewis酸を添加することで低温 速度論支配 でのClaisen転位を行うことが出来る。 配位子を嵩高いものにすることで、熱力学的に不安定なZ-Claisen転位体も得られる[1]。 近年では金触媒がユニークな特性を示すことが明らかにされつつある。 プロパルギル-クライゼン転位をAu I 触媒が促進させるという報告がなされている[2]。 1- O-methylforbesioneのBiomimetic合成[3] Quinineの合成[4] Daphmanidinの合成[5]:液性を中性に近く保ったまま反応条件を強くすることができるため、混み合った位置に連続不斉炭素を構築するための強力な方法論となる。 不斉四級炭素も構築可能。 実験手順 実験のコツ・テクニック 参考文献 [1] Nonoshita, K. ; Banno, H. ; Maruoka, K. ; Yamamoto, H. Chem. Soc. 1990, 112. 316. DOI: [2] Sherry, B. ; Toste, F. Chem. Soc. 2004, 126, 15978. DOI: [3] Nicolaou, K. ; Li, J. Angew. Chem. Int. 2001, 40, 4264. [4] Igarashi, J. ; Katsukawa, M. ; Wang, Y. ; Acharya, H. ; Kobayashi, Y. Tetrahedron Lett. 2004, 45, 3783. doi: [5] Weiss, M. ; Carreira, E. Angew. Chem. Int. 2011, 50, 11501. DOI: 関連反応• 関連書籍 外部リンク ・(Wikipedia日本 ・ Wikipedia ・ ・ organic-chemistry. org ・ 「化学者のためのエレクトロニクス入門」シリーズでは、今や私たちの日常生活と切っても切れないエレクトロ…• , 第98回の海外化学者インタビューは、グレアム・ジョージ教授です。 クイーンズランド工科大学物理・化学科…• , 安藤弘宗(あんどう ひろむね, 1971年8月14日-)は、日本の化学者である。 岐阜大学教授。 , , , 皆さんはこの3月以降,学会に参加発表されましたか?Covid-19パンデミックの影響で国内学会の年会…• , 脂環式アミン類の直截的C—H官能基化反応が開発された。 保護基や遷移金属触媒を必要としない本手法は、環…• , 山東信介 1973年、和歌山県生まれ は、日本の化学者である。 専門は生体機能関連化学、ケミカルバイ…• , JSRは、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻(東大理物)と包括的連携に合意し、4月1日から共同研究…•

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【化学】クライゼン(Claisen)縮合反応

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概要 アリルアルコールにオルト酢酸エステルを作用させ、アリルビニルエーテルを系内で生成させた後、を行ってエステルに導く反応。 ほとんどneat条件で行え、かつ副産物も揮発性なので、合成初期の大量スケールでよく用いられる。 弱酸性・加熱条件が必要。 塩基性条件・低温で行いたい場合には、中性条件ではというふうに、相補的に用いることができる。 基本文献• Johnson, W. ; Werthemann, L. ; Bartlett, W. ; Brocksom, T. ; Li, T. ; Faulkner, D. ; Petersen, M. Chem. Soc. 1970, 92, 741. DOI:• Lutz, R. Chem. Rev. 1984, 84, 205. DOI:• Ziegler, F. Chem. Rev. 1988, 88, 1423. DOI:• Blechert, S. Synthesis 1989, 71. DOI:• Castro, A. Chem. Rev. 2004, 104, 2939. DOI: 反応機構 ビニルエーテル形成後はと同じ、シグマトロピー機構。 のバリエーションはいす型6員環遷移状態を経るため、一般に高い立体特異性が発現する。 反応例 Merrilactone Aの合成[1] 実験手順 実験のコツ・テクニック 参考文献 [1] Birman, V. ; Danishefsky, S. Chem. Soc. 2002, 124, 2080. DOI: 関連反応• 関連書籍 外部リンク• Wikipedia• organic-chemistry. org.

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