スパイ ファミリー pixiv。 スパイファミリー4巻の発売日は?ネタバレと最新刊を無料で読む方法

「SPY×FAMILY」受験と世界の危機に立ち向かう!【少年ジャンプ+なら無料!おすすめ漫画】(スパイファミリー)

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「アーニャ欲しいものがある」 夕食後、ヨルが人数分のティーカップが乗ったトレーをそっとテーブルに置いた時、アーニャが突然切り出した。 「ステラ獲得のご褒美はもう上げただろ?」 ロイドが嗜めるように言った。 カーペットに寝そべっていたアーニャの愛犬ボンドがボフッと鳴いた。 「何が欲しいんですか?アーニャさん」 ヨルがにこやかに尋ねる。 「アーニャさん、この前の中間考査、頑張っていましたもんね。 買ってあげたらどうですか?ロイドさん」 「頑張ったって言っても、あんな点数・・・」 ロイドは頭を掻いた。 「・・・何を買ってほしいんだ?」 「買うものじゃない、つくるもの」 「つくる?」 ロイドが怪訝そうな声を出す。 裁縫か?DIYか? 大掛かりなものじゃないだろうな。 「ちちとはは、きょうどうさぎょう」 「共同作業?」 なんじゃそりゃ。 わからん。 「あのね、アーニャ、おとうと欲しい」 予期せぬ爆弾に、ロイドとヨルはしばし言葉を失った。 翌朝、スクールバスから降りたアーニャは校舎へと向かう生徒たちの群れに友人を見つけて駆け寄った。 「あら、おはようアーニャちゃん」 ベッキーが笑いかけるが、アーニャの顔は深刻そうに歪んでいる。 「ベッキー、アーニャのちちとはは、おとうと作れない」 「あら、昨日の話?弟が欲しいって言ったの?」 ベッキーはそう尋ねながら昨日の出来事を思い出した。 クラスメイトに弟が産まれたと話題になった。 そこから、みんなが口々に自分の兄弟の話を始めて、アーニャが自分も兄弟が欲しいと言いだしたのだ。 「アーニャ、あにが欲しい」 アーニャはデズモンドの次男とその父兄に、自分の兄を紹介するところを想像した。 犬がダメでも兄がいれば、父の任務と平和のために役立つかもしれない。 「自分より年上の兄弟はできないわよ。 アーニャちゃんに兄弟ができるとしたら、弟か妹ね。 」 ベッキーが冷静に突っ込んだ。 弟か妹なら弟がいい。 一緒にすぱいごっこができそうだ。 「兄弟が欲しいなら早くパパとママに言ったほうがいいわね。 赤ちゃんってママのお腹の中からなかなか出てこないからとっても待ち遠しいって聞いたわ。 」 ベッキーのアドバイスに従って、アーニャは早速夕食後の団欒時に切りだしたのだが・・・ 「パパとママはなんて言ってたの?」 「アーニャはまだまだ手がかかるから弟を育てる余裕がないって。 ボンドもいるから子供はもういらないって」 「ふーん。 そういうものなのかしらね。 」 打ちひしがれたようなアーニャに、ベッキーは相槌を打った。 「でも、子供がいらないって思っててもできるときがあるんだって。 」 ベッキーが励ますように言う。 「子ども、勝手にできる?おとうと、勝手にうまれる?」 「パパとママがうんと仲良くしてたら弟か妹ができるんだって。 うちのばあやが言ってたから間違い無いわ。 うちのばあや、とっても物知りなの。 」 ベッキーが得意げに言う。 うんと仲良くか。 アーニャはしばし腕を組んで考えた。 ちちとはは、いちゃいちゃって言ったら、してない!っていつもおこる。 いちゃいちゃ、させたら、おとうと、できる? アーニャは不敵な笑みを浮かべた。 アーニャの爆弾発言から一夜明け、翌朝ロイドは何事もなかったかのように出勤していった。 いつものように淡々と任務をこなす一方で、アーニャになんといって弟を諦めさせるかを考えていた。 アーニャは時折こちらを見透かしたような駄々の捏ね方をして、要求を飲ませることがある。 もちろんアーニャはこちらの都合なんか知りもしないだろうが、お城に行かないと学校を辞めるだの犬を買わないと学校を辞めるだの、こちらはヒヤヒヤさせられるのだ。 弟ができないなら学校を辞めるなんて言いだしたらどうしようか。 この偽装家族にもう1人赤ん坊を増やすなんてとんでもない。 いや、でも。 より普通の家族らしく見せるために本当に子供をこさえる手もあるだろうか。 しかし、夫婦とは言えヨルとは契約結婚だ。 アーニャの為に子供を産んでくださいなんて言えるわけがない。 ロイドは激しい頭痛を覚えた。 仕事へ出掛けたロイドを見送ったヨルもまた、昨日のアーニャの発言が頭から離れずにいた。 弟が欲しいと思うアーニャの気持ちはとてもよくわかる。 このくらいの子供が下の子を欲しがるのはよくあることだ。 それに、自分に弟が生まれたときはそれはそれは嬉しかった。 幼くして母を亡くしたアーニャにとって、一人っ子は想像以上に寂しいものかもしれない。 だが、ヨルとて別の顔がある。 殺し屋の顔だ。 偽装結婚の目的も、この裏の顔を守るためだった。 身重になれば裏の業務に支障が出る。 本末転倒だ。 幸せな家庭なんて、自分には望めない。 いや、この仮初の家庭ですら自分にとっては十分すぎるほどの幸せだった。 ヨルもまた、アーニャを何と言って説得させるか頭を抱えた。 ロイドが帰宅した時、アーニャとヨルは夕飯を食べ終えたところだった。 「すみません、先に頂いてしまいました。 」 「構いませんよ。 」 ヨルの言葉にロイドが微笑む。 アーニャの例の発言で集中力が妨げられたのか、仕事を片付けるのが遅くなってしまった。 今日はなんだか疲れた。 「先に風呂に入るよ。 」 ロイドがヨルに声をかけると、 「アーニャも一緒に入る!!」 リビングからアーニャが飛び出してきた。 「アーニャ、ちちとははと一緒におふろ入る!!!」 アーニャがロイドを通せんぼするように立ち塞がった。 な、な、な、何を言っているんですか!アーニャさん!!! アーニャの頭に声にならないヨルの心の叫びが聞こえる。 「何言ってるんだアーニャ。 疲れてるからどきなさい。 」 対するロイドは冷静だ。 「やだ!アーニャ、ちちとははと入る!!」 アーニャも食い下がる。 まったく・・・ ロイドはため息をついた。 「ヨルさん、一緒に入りましょうか」 ヨルは再び、声にならない心の叫びを上げた。 [newpage] 「アーニャさん、痒いところはないですか?」 ヨルに頭を洗ってもらいながら、アーニャは上機嫌だった。 ベッキーが言っていた。 仲良しの夫婦は一緒にお風呂に入るのだと。 「ちちとはは、なかよし」 「はいはい、なかよしだから。 もう風呂に3人で入るのはこれきりにしろよ。 狭くてかなわん。 」 ロイドはユニットバスに浸かりながら言った。 ロイドとヨルは水着をつけて風呂に入るという手段をとった。 アーニャは2人の水着姿を特に気にしなかったようだ。 とにかく3人で風呂に入れれば良かったのだろう。 「すみません、ヨルさん」 ロイドがヨルにそっと耳打ちすると、ヨルは笑顔で首を振った。 ほっとしたのも束の間、寝る頃になってまたアーニャの我儘が始まった。 今度は3人で一緒に寝るというのだ。 ロイドはまたしても深いため息をついた。 スパイたるもの他人の前で眠ってはいけない。 だからこそ今日は自室でゆっくり休みたかった。 ヨルはロイドに遠慮がちに声をかけた。 「ロイドさん、私はあの、構わないですよ。 仲睦まじい夫婦セットのダブルベット、大きいからアーニャさんと川の字で寝れば・・・」 「やたー!」 アーニャが嬉しそうに飛び跳ねた。 「ヨルさんがいいのであれば。 」 今夜は徹夜決定だな。 ロイドは再びつきそうになるため息をぐっと飲み込んで、寝室へと向かった。 YESの枕が2つ並んだこのベッドに本当にヨルと眠る日が来るとは、ロイドは思っていなかった。 しかし今宵、ロイドとヨルの間にはアーニャがいる。 変な気持ちにはならなかった。 ベッドに入ると、最初こそアーニャははしゃいでいたが、電気を消すとものの数分で眠ってしまった。 そしてまたヨルも同じくらい寝つきが良かった。 もしかしたらロイドと同じく、昨日よく眠れなかったせいかもしれない。 しんとした部屋にアーニャとヨルの規則正しい寝息が響く。 ロイドはなぜかそれに安心感を覚えた。 まぶたの向こうがうっすらと明るくなったのを感じてロイドは目を開けた。 他人の前では眠らない、と思っていたのに。 いつの間にか眠っていたようだ。 ロイドはそっと起きて身支度を整えた。 アーニャが起きてきた時、テーブルにはロイドの作った朝食が並んでいた。 「おはよう、アーニャさん」 「遅刻するぞ、アーニャ。 」 いつもと変わらない父と母の姿だが、アーニャは2人が穏やかな空気に包まれているように感じた。 もしかして、これは。 「ちちとはは、おとうとできた?」 穏やかな空気が凍りつく。 「きのういっしょにおふろはいって、いっしょに寝た。 ちちとはは、なかよし」 アーニャがニヤニヤする。 「ばかなこと言ってないで早く食べなさい!」 ロイドが一喝した。 学校でベッキーを見かけるなり、アーニャはさっそく昨日のことを報告した。 「アーニャちゃんも一緒におふろに入って一緒に寝たの?」 ベッキーが呆れたように言った。 「ダメじゃない。 パパとママの邪魔しちゃ。 」 「アーニャ、おじゃまむし?」 「そうよ。 パパとママ、2人きりでなかよくさせてあげることね。 」 ベッキーが諭すように言う。 いちゃいちゃむずかしい。 アーニャはしかめっ面をした。 アーニャがいないと2人はお風呂にもベッドにも一緒に入らないような気がする。 「でも、アーニャちゃん。 弟か妹ができるとパパとママは自分だけのものじゃなくなるのよ。 下の子にとられちゃうの。 だから、本当に弟が欲しいなら覚悟しておいた方がいいわよ。 」 ベッキーの言葉の真意を、アーニャはすぐに理解することなる。 「アーニャきかんしたー!」 アーニャが勢いよく玄関のドアをあけると、おぎゃーっと声が聞こえてきた。 赤ちゃんのこえ! アーニャはリビングに駆け込む。 ロイドとヨルがソファに座って小さな赤ちゃんをあやしていた。 「おとうと?!うまれた?!」 アーニャが興奮して尋ねた。 「知り合いの赤ちゃんを預かることになったんだ。 3日間だけな。 だからお前はお姉ちゃんとして、この子を弟だと思ってしっかりお世話するんだぞ。 」 アーニャはヨルの胸の中にいる小さな生き物を見つめた。 これがアーニャのおとうと。 ちっちゃい。 かわいい。 心の声、なんて言ってるか全然わかんない。 「アーニャさん、この赤ちゃんはアーニャさんの本当の弟ではないけれど、いつか弟ができた時の予行練習と思ってしっかりお姉さんしてくださいね。 」 ヨルがにっこりと微笑んだ。 「アーニャ、すぱいごっこしたい。 」 「スパイごっこはまだ早いな。 まだ赤ちゃんだからな。 お姉ちゃんなんだから、今までより良い子にするんだぞ。 」 アーニャ、お姉ちゃん・・・ アーニャはくすぐったい気持ちになってふふふっと笑った。 何を隠そう、この赤ん坊はロイドが組織に頼んで用意してもらったものだ。 組織の息がかかった孤児院から連れてきたのだろう。 3日間預かって良いと言われた。 ヨルには、本当にたまたま知り合いの子供を預かることになったと話した。 すごいタイミングですね、アーニャさん喜びますね、とヨルは笑っていた。 これで、アーニャもお姉さん気分が味わえて少しは落ち着くだろう。 ロイドとヨルはそっと笑みを交わした。 アーニャが赤ちゃんに話しかける姿はまるで天使のように可愛らしい、とヨルは思った。 本当に弟か妹を産んであげられたら、という思考を慌てて打ち消す。 だが、そんな微笑ましい気持ちを持てたのも赤ん坊が来て最初の数時間ほどだ。 ヨルが想像する何百倍も、赤ん坊の世話というのは大変だった。 そしてロイドもまた、赤ん坊なんて軽い気持ちで連れてくるんじゃなかった、と後悔したのだ。 何故泣いているかが分からない、どうやったら泣き止むか分からない。 こんな得体の知れない生き物を世の母親はどうやって育てているのだ。 赤ん坊を見ていると、アーニャですら何て手がかからないのだろうと思う。 ロイドはオペレーション梟のミッションに必要な子供が6歳児で良かったなと思った。 赤ん坊の世話でバタバタしているうちにすっかり夜になった。 「ちち、ボンドマンいっしょにみたい」 「今ミルクあたためてるから、あとでな」 「はは、アーニャここあ飲みたい」 「すみません!オムツを変えるのでちょっと待っててください!」 「おとうと、アーニャとすぱいごっこ、する?」 「おぎゃ〜〜〜!」 「アーニャ!何泣かしてるんだ!お姉ちゃんだから優しくしないとダメだろ。 」 アーニャはとぼとぼと自室へ向かった。 ボンドだけが心配そうにアーニャに寄り添っていた。 「ちちとはは、おとうとにつきっきり。 アーニャ、ほったらかし。 」 ボンドを撫でながらぽつりと呟く。 口に出したら余計寂しくなってしまった。 ベッキーが言っていたのはこのことだったのだ。 次の日は土曜日だったけれど、ロイドは仕事に行ってしまった。 ヨルは朝から1人での育児にてんやわんやだ。 アーニャは何度も泣いている赤ん坊の心を読もうと試みたが、分かるのは「不快」という感情のみ。 お腹が空いているのか、眠たいのか、オムツなのか、正確に読み取ることはできなかった。 ミルクを飲み、オムツを換え、やっと赤ん坊がすやすやと眠りについた。 「おとうと、すごい寝る」 「そうですね」 ヨルはくすくすと笑った。 あんなに手を焼かされているのに、ヨルが赤ん坊を可愛く思っているのがアーニャに伝わってくる。 赤ちゃんって本当に可愛らしいですね。 アーニャさんが赤ちゃんの頃もそれは可愛いかったでしょうね。 アーニャはヨルの心に耳を傾けた。 いつか私にも赤ちゃんを産む未来がくるでしょうか。 いえ、殺し屋をやってる限り無理ですね。 でも、いつか世界が平和になって、殺し屋をする必要がなくなったら。 いつか・・・ 赤ん坊が微かに呻いて、ヨルの思考は途切れた。 そうか、はは、殺し屋してるから、おとうと産めない。 アーニャは一瞬、赤ん坊を背負ってナイフを両手に持ち、返り血に塗れたいばら姫を想像して、ぶんぶんと頭を振った。 ロイドが帰宅すると、ヨルがちょうど赤ん坊を寝かしつけたところだった。 「すみません、ヨルさん。 今日一日赤ん坊の世話を押しつけてしまって。 」 「お仕事なんだから仕方ないですよ。 でも、赤ちゃんもアーニャさんもとってもいい子でしたよ。 」 「あれ?アーニャは?」 ヨルはふっと笑って手招きをしてみせた。 ヨルとロイドがそっと部屋を覗くと、先日3人が川の字で寝たダブルベッドにアーニャと赤ん坊がすやすやと眠っていた。 「アーニャさん、今日は一生懸命赤ちゃんをあやしてあげてたんですよ。 とってもお姉さんらしかったです。 」 ヨルが温かいハーブティーをいれてロイドに差し出した。 「そうですか。 」 ロイドがティーカップに口をつける。 明日には赤ん坊を組織に返さなければいけない。 ロイドとしては、アーニャに少しでもお姉さん気分を味わわせて、弟欲しい攻撃が落ち着けばいいと思っていた。 しかし、3日間とはいえ情が湧いて赤ん坊を返したくないなどと言い出されては困る。 やはり赤ん坊を家に連れてくるのは早計だったろうか。 ロイドが思案していると、ヨルが口を開いた。 「私、今は仕事を頑張りたいと思ってるんです。 」 表も裏も、という言葉を飲み込む。 ロイドが顔を上げた。 「でも今みたいな緊迫した時代が終わって、もっと平和になって、仕事が落ち着いたら、いつか赤ちゃんを産みたいなって思いました。 」 平和になって仕事が落ち着く、という文脈はよく分からなかったが、ヨルの言わんとしていることをロイドは推察した。 今みたいに独身女性というだけで怪しまれるようなことがなくなって、偽装結婚の必要がなくなれば、本当の家庭を持ちたいという意味だろう。 「そしたらいつか、私、アーニャさんの弟か妹を産みたいです!」 ロイドはハーブティーを吹き出しそうになるのをすんでのところで堪えた。 「赤ちゃんをあやすアーニャさん、本当に可愛らしかったんですよ。 ロイドさんにも見せたかったです。 アーニャさん、きっと良いお姉さんになりますよ。 」 ヨルはニコニコと喋り続ける。 「・・・・」 ロイドが何と声をかけようかと言葉を探していると、ペタペタとアーニャがリビングに入ってきた。 「ちち、あかちゃん、ぐずぐずしてる」 「そうか、今行く。 アーニャお前は自分の部屋で寝ろ。 」 「うぃ」 アーニャを部屋へ見送ると、ロイドがヨルを振り返った。 「昼間は任せっぱなしでしたから夜は僕が。 ヨルさんは部屋でゆっくり休まれてください。 」 「え、でも・・・」 「僕も予行演習ですよ。 世界が平和になったら、弟か妹を産んでくださるんでしょう?」 ヨルはやっと自分がとんでもないことを口走ったのだと気づいた。 「ち、ちがっ!あ、あの、それは、そういう意味ではなくて!いや、違くないんですけど、えっと・・・」 真っ赤になったヨルにロイドはにっこり微笑んで赤ん坊のいる部屋へと入っていった。 ロイドはぐずぐずしている赤ん坊を抱き上げてゆらゆらと揺らした。 ヨルの天然は心臓に悪い。 でも、いつか東西世界が平和になって、黄昏を辞める日が来たら。 なれるだろうか、本当の家族に。 ロイドとヨルの間に子供が生まれて、4人家族になる。 そんな未来。 「・・・悪くないな」 ロイドはふっと笑って、赤ん坊に優しい眼差しを落とした。 月曜日、スクールバスから校舎に向かうアーニャの後ろから、ベッキーがおはようと声をかけた。 「アーニャちゃん、パパとママは仲良くしてる?」 アーニャはニヤッと笑った。 「へいわになると、アーニャにおとうとができる。 」 はあ?とベッキーは怪訝な顔をする。 「家庭が平和になるとってこと?あんたんちそんなに荒れてるの?」 アーニャはふふふと笑ってもう一度繰り返す。 「せかいがへいわになって、 ちちとははがスパイところしや辞めたら 、アーニャにおとうとできる。 だから、アーニャはやくステラいっぱいあつめて、いんぺるらるすっからんになる!」 「そうね、星をたくさんとったらパパもママも喜んでくれてきっと平和になるわよ。 」 ベッキーが大きく頷いた。 アーニャ、学校がんばろう。 ちちとははと、ずっといっしょがいいから。 いつかほんとうの家族になりたいから。 アーニャは体の中からやる気が満ち溢れてくるのを感じ、たまらず校舎へと駆け出して行った。 父 スパイ 母 殺し屋 娘 超能力者 今日も、東西平和のために スパイファミリーは奔走する。 おわり.

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【スパイファミリー】13話ネタバレ感想|キスは次回にお預け

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星獲得には程遠いですが、本人としては大満足らしいのでまあいいでしょう。 (笑) とりあえず学校生活の要であるテストがひと段落ついたということで、これから話がどう進んでいくか読めません。 楽しみにしてくださっていた皆様すみません、力尽きてまた番外編となります…。 ページ少なくて申し訳ないですが、シャワーシーンもあるので少しでも楽しんで頂ければと…。 いきなり、早朝に彼がランニングをしているところから場面は始まります。 時刻は5時半。 さすが早起きですね・・・ きっと毎日の日課なんでしょうね。 だから結構お年にみえるのに健康なのか。 ランニングから帰ったらシャワーを浴び、ピカピカに磨いた靴と糊がきいたシャツ、そして片眼鏡をつけて準備万端です。 同僚と紅茶を飲みながら世間話 身支度が終わった後、お湯を沸かしていると同じ寮の先生がやってきます。 それで一緒に紅茶を飲むことに。 ちゃんとティーポットを使い、茶葉を入れ、おしゃれな砂時計を使ってていねいに淹れた一杯です。 理想の朝すぎる・・・ そんなおいしい紅茶を飲みながら、2人は今回のテスト結果について話しています。 歴史について、「いくら年表を暗記できたところで無意味」と言いきるヘンダーソン先生。 さすが名門校の歴史教師・・・! 仕事を済ませ、読書を楽しみ、教室へ・・・ ティータイムを楽しんだ後は、少々お仕事。 手紙を書き、封をしてから、授業に必要な持ち物をきっちりピシッと揃えます。 何もかも済ませて、蓄音機で音楽(たぶんクラシックでしょうね)を流しながら読書を始めます。 そこで目にしたのは、口汚くののしり合うダミアンとアーニャ。 まーたやってる・・・って感じですね。 予想通りの素顔が見られてなんだかちょっとうれしいですね。 最後、生徒たちに台無しにされちゃってますが(笑) まあそれもご愛嬌ということで・・・ ちびっ子たちが、先生の描く「エレガント」に近づく日は果たしてやってくるのか。 まったく想像できませんがね。

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#スパイファミリー #ロイヨル Baby and Peace

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「殺し屋?」 報告書を手に聞き返すと、管理官は視線だけで頷いた。 「コードネームはいばら姫、だそうだ。 大層だな」 「……女、ですか」 「侮るなよ」 「まさか」 侮ったのではない。 この感覚はなんだ、とロイドは眉を寄せる。 背筋を這い上がっていく寒気に、馬鹿馬鹿しいそんなはずがないだろう、と言い聞かせても、払拭できない。 頭の片隅で、ずっと赤が点滅している。 「毎回見事に先手を打たれている」 「情報漏洩だと?」 「上はそう考えていない。 妨害されるならまだしも、WISEと目的が同じだからな。 だが皆殺しという結果は、我々が望むものと違う。 しかもいばら姫の仕業だと思われる案件はすべて、表向きには内部の抗争、ということで片付けられている」 「暗殺者の後ろに政府中枢の誰かがいる、ということですか」 管理官は肯定も否定もせず、全エージェントを見渡した。 「東国政府が絡んでいるのか、国家保安局の手先かは不明だが、これ以上見過ごすわけにはいかない。 情報部が二箇所にエサを撒いた。 作戦開始は本日17:00。 貴重な監視対象組織をエサにしたんだ、必ず捕えろよ。 呪われたお姫様に色々と教えて頂こうじゃないか」 ニィ、と管理官が口の端を上げる。 概要を頭に叩き込むロイドの背を、嫌な汗が流れていく。 罠の中に、一人の女がいるのを思い浮かべてしまったからだ。 漆黒のドレスに身を包んだ、妻の姿を。 荒唐無稽にも程がある、と追い出すように頭を振る。 今朝、スクールバスに乗るアーニャを見送った後、互いに「いってらっしゃい」と声を掛け合った。 その時のヨルは普段通り微笑んでいて、何一つ変わった様子などなかった。 今夜の任務を終え、家に帰れば、彼女はそこに居るはずだ。 「おかえりなさい」とアーニャと二人、いつもの様に迎えてくれるはず。 ロイドは、じっとりと汗をかいた掌を、きつく握りしめた。 ロイド達WISEが現場に到着したときには、いばら姫による仕事はすでに終わっていた。 もちろんこれはWISEの不手際ではない。 終わった時に、現場にいることが目的なのだから。 乱射した銃による無数の壁の穴、落ちたシャンデリア、むき出しになり垂れ下がった配線からは時折バチッと火花が散り、薄暗くなってしまったレストランの唯一の明かりとなっている。 つい数分前まで華やかなパーティーが行われていたとは思えないほど、ホテル内の高級フレンチレストランは無惨な有様だった。 硝煙と、噎せ返るような血の匂いが支配する空間で、生きているのは一人。 最もいて欲しくなかった女 ひと が、居た。 「お疲れ様です店長、今終わりました。 え?いつもと変わったことですか?どうでしょう。 何も感じませんでしたけど。 ええ、はい、わかりました。 世界が反転するような感覚に襲われる。 それでも、ヨルが電話を切った瞬間、ロイドは背後から彼女の後頭部に銃口を突きつけていた。 「動くな」 「……あら?もしかして私、失敗しちゃいましたか?」 なんの緊迫感も感じられない、のんびりとした声だった。 次の瞬間、ヨルは予備動作もなく、ロイドの目の前から突如姿を消した。 「!」 両手で銃を構え天井へ向けた。 高く飛び上がり、ロイドの後方へと宙返りをする逆さまのヨルと、視線が交わる。 ふわりと広がったドレスが、黒い薔薇のようだ。 緋色の目が、大きく見開かれた。 ヨルの足が床に着くやいなや、銃口がヨルの額に、ナイフの切っ先がロイドの眉間に突きつけられた。 「いばら姫だな。 ご同行願いたい。 逆らうなら、……撃つ」 何故、とは聞かなかった。 どうして、とも聞かれなかった。 息すら忘れて、見詰めあった。 これでもう、ロイドが家に帰っても、おかえりなさい、と微笑んでくれることはない。 嫌だ、と喉の奥で感情が暴れ出す。 何時からだったのか。 ヨルがいい、と思い始めたのは。 帰る場所に、居てくれたら嬉しい。 帰る場所に居てくれるのは、彼女がいい、と。 だがロイドは、そんな自分を認めなかった。 偽りの家族だと、任務が終われば別れるのだと、言い聞かせてきた。 こんなに早く失うと思っていなかったから、悠長なことを考えていられたのだ。 まだまだ時間はある、と勘違いしていた。 片腕を伸ばした距離に、ヨルがいる。 感情を削ぎ落とし、暗く沈んだ瞳に映るロイドの顔は、滑稽なほど青白い。 『黄昏、組織の残党が現着』 『まずいぞ黄昏、SSSが予想より早く動いた。 現在C地点通過!』 インカムから、仲間の声が飛び込んでくる。 普段のロイドであれば、一度に押しかけてきやがって、と舌打ちの一つでもして、さっさと対象を捕獲の上、逃げるのだが、いまはそうもいかない。 簡単に捕獲出来るような生易しい相手ではないのだ。 現に、銃口を額に押し付けているにも拘わらず、一歩も動けない。 視線一つ、呼吸の仕方一つ間違えれば、死ぬのは自分。 そう判断出来てしまうくらいに、ヨルの強さが伝わってくる。 「黄昏さん、と仰るのですね」 仲間の声がインカムから漏れ聞こえたのか、ヨルがポツリと言った。 彼女の声音には、欠片も非難の色はなかった。 全てを、ぶちまけてしまいたくなった。 黄昏のすべてを話しても、そうですか、と微笑んでまるごと受け止めてくれるのではないか、と期待してしまう自分の想いがどこに在るのかは、もう、分かっていた。 それが手遅れだということも、嫌というほど、分かっていた。 [newpage] ロイドさん、と呼び掛けそうになるのを、堪えた。 彼は仲間から「黄昏」という名で呼ばれていて、それはヨルの「いばら姫」と同じであるのだろう。 彼がロイド・フォージャーでないなら、アーニャも違うのだろうか。 アーニャは父の仕事のことを知っているのだろうか。 アーニャの笑顔を思い出した途端、胸が塞がるような心地がした。 どうしてですか、と尋ねることは出来なかった。 最早意味の無いことだから。 殺しの仕事を続けるための偽装結婚だったはずなのに、失うことになるとは。 自分は、どちらを悲しんでいるのだろう。 仕事を続けられないことか、それとも、家族を失うことか。 のんびりと考えていられる時間は無かった。 窓の外から聞こえる慌ただしい車のドアの開閉音と、凄まじい殺気の数々は、ヨルが皆殺しにした組織の仲間達だろう。 ヨルを捕らえようとしているロイド達と、ヨルに復讐しようとする組織の残党。 最善が分かっているのに、目の前の男を殺すことが出来ない。 構えたナイフを、少しも動かせない。 早く殺しなさいと、店長の声が耳元で囁きかけてくる。 けれど、ヨルはそれを拒否した。 殺せるはずがないではないか。 彼はアーニャの父だ。 父の仕事を知っていようといまいと、たった一人の父親であることに変わりはない。 ヨルの代わりはいても、ロイドの代わりはいない。 アーニャを独りにさせることも、泣かせることも、ヨルには出来ない。 ロイドだけは、早く帰してやらなければ。 時間を確認すると、17:30まであと少し、というところだった。 「あの。 はやく帰ってあげて下さい」 「……は?」 鳩が豆鉄砲をくらったような顔で、ロイドはヨルを見ていた。 そんな顔をするロイドは新鮮で、ぷっ、と笑ってしまいそうになる。 「ボンドさんと一緒に遊んでいるとは思いますが、そろそろお腹が空く時間です。 アーニャさん、お父様が作る美味しいご飯を待ってますよ」 昨日から仕込んでいたビーフシチューは、きっととても美味しいことだろう。 一緒に食べたかったな、と思いながら、ヨルは、ロイドの眉間に突きつけていたナイフを下ろした。 銃口はそのままだったけれど、ヨルは気にしていなかった。 「ええと。 もうお気づきだとは思うのですが、私が殺した方々のお仲間がそろそろ来ちゃいます。 残業しなきゃいけないようなので、ここで失礼しますね」 「……ヨルさん、状況理解してますか」 普段、家で話す時のような口調で答えてくれたことが、なんだかとても嬉しかった。 これが、最後になるだろうから。 「ええ、勿論。 秘密警察が踏み込んでくる前に、片付けないと。 あっ、そうそう、いつも死体の後始末をしてくれる方々ももうすぐ来ちゃうんでした。 そうなると誰が誰だかごちゃごちゃになって大変なので、ここは私に任せて、ロイ……黄昏さんは早くアーニャさんのところへ帰ってあげて下さい。 あっ!だからごめんなさい。 何を言っているのだろう。 帰れるはずがないのに。 なんて優しくて、残酷な言葉だろうか。 悲しかった。 けれど、それ以上に嬉しかった。 ロイドがヨルに向かって怒鳴ったことなど、ただの一度もない。 素の彼を見せて貰えたことが、とても、嬉しい。 ロイドの背後にある窓が、チカッと光った。 それが何であるか瞬時に気付いたヨルは、笑顔を作った。 今できる、精一杯の笑顔を。 「ありがとうございます、ロイドさん。 でも、時間切れです」 え?と聞き返してくるロイドを、持てる限りの力で突き飛ばした。 吹っ飛んだロイドは、窓から死角になる位置に転がった。 「ヨルさん!!!」 ロイドの絶叫を聞きながら、ヨルは仰向けに倒れた。 腹部から、自分の血が噴き出すように流れ出ていることが、見なくても分かった。 向かいのビルからスナイパーライフルを撃ったのは、店長の配下だろう。 ロイドを撃てば正面にいたヨルまで貫通することを分かっていて、撃った。 なるほど、ヨルも用済み、ということらしい。 店長の思い通りにならなくてよかった、と思った。 ロイドを守れて、よかった。 それは、アーニャを守ることに繋がっているから。 「ヨルさん!!ヨルさん……ッ!!」 ロイドが叫んでいる。 取り乱しながら、それでもヨルを抱き上げ窓からは狙えない柱の裏へ連れていく。 すぐさま応急処置をしてくれたが、そんなことではヨルの血は止まらない。 必死を通り越して鬼気迫る形相のロイドを、霞んでいく目で眺めながら、ヨルは、彼はなぜ黄昏になったのだろう、と思った。 ヨルと同じなのだろうか。 無力に苛まれ、けれど抗うために、さらなる地獄の道を選んだのだろうか。 彼はこれからも、茨の道を歩いていくのだろうか。 どうしようもなくなる瞬間がきっとあるだろう。 そんな時、傍にいたかった。 何が出来るわけでもないけれど、寄り添うくらいなら、ヨルにも出来ただろうに。 結局、なにもしてあげられなかった。 今も、寄り添って貰っているのはヨルだ。 家族に看取られることなどないと思っていた。 まして、誰かの腕の中にいることも。 もし、もしも。 ヨルが「普通」に生まれていたなら、普通に出会い、普通の夫婦になれていたのだろうか。 平凡で幸せな家庭を築けていただろうか。 違う、とヨルは目を細めた。 きっと、出会うことすらなかった。 母になることも出来なかっただろう。 不意に気付いた。 フォージャー家のおかげで。 普通ではない、偽りの家族のお陰で。 何も持たないヨルに、与えてくれた二人と一匹のお陰で。 「やっぱり……わたし、ロイ……さんと、……けっこんできて、よかっ……です」 ロイドが何かを叫んでいる。 もう、聞こえない。 叶うなら、また会いたいな、と思った。 来世でも、夢でもいい。 くるくると表情が変わる、萌黄色の大きな瞳に。 はは!と呼んでくれる元気な声に。 こんな人殺しを、抱き締めてくれる夫に。 一つだけ、教えて欲しいことがあった。 次に会えた時に、訊こう、と決めた。 ロイドはずっと叫んでいる。 そんな顔をしなくて大丈夫ですよ、と伝えたかった。 はやく、家に帰ってあげて下さい、と。 伸ばした指は、ロイドの頬に届くことなく、床に落ちた。 寒くて堪らなかったけれど、ロイドに触れているところだけは、温かかった。 [newpage] どれくらい、眠っていたのだろう。 「はびゃー!!!!」 沢山の管が身体中に取り付けられたヨルの首に、涙で顔をぐちょぐちょにしたアーニャが抱きついてきた。 ベロベロと顔中を舐めてくれるのは、ボンドだ。 頭を撫でてやりたいのだが、あいにくどちらの腕も動かない。 顔を少しだけ左に向けると、今にも泣いてしまいそうな顔をした夫が、ヨルの手を握ってくれていた。 これが夢なら、覚めてしまう前に、訊いておかなければ。 「……おしえて、いただきた……い、こと……が」 ヨルが口を開くと、ロイドはハッとしたように肩を揺らし、酸素マスクをそっと外してくれた。 「あなた、の、……なまえ……を、おしえて、くださ、」 眠りにつく前、訊きたかったことだった。 この世に生まれた時に、彼につけられた名前。 棄てないと生きてこられなかった名前。 これ以上、棄てないで欲しい名前を。 せめて、家族といる時だけでも。 ロイドが、アーニャごと一緒に抱きしめるように、ヨルに覆いかぶさってきた。 耳元に、唇が触れる。 ヨルが微笑むと、ブルーの瞳から溢れ出た涙が、ヨルの頬を濡らした。

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