ブルー ピリオド。 漫画ブルーピリオドを読んだ感想?トゲのない名言の数々で頬を殴られた

美術を楽しいと思ってほしい「ブルーピリオド」山口つばさ

ブルー ピリオド

今、漫画好きの間で、「面白い!」と評判を高めている。 東京藝術大学をはじめ、美大入学を目指す高校生たちの青春ストーリーです。 タイトルの『ブルーピリオド』とは、有名な画家パブロ・ピカソに由来する言葉。 もともとは、ピカソが青春時代に描いた絵の画風を指し、そこから転じて不安を抱える青春時代を表す言葉になりました。 その名の通り、瑞々しく、時に苦しい青春ストーリーが魅力の本作。 作者の山口つばさ先生は東京藝大出身。 自身の体験をもとに描かれる、リアルな「美大受験」漫画です! 当記事のリンク先の電子書籍ストアBookLive! では、 を差し上げています。 漫画が気になった方はご利用ください。 また、当記事にはネタバレを含みます。 東京藝大の入試試験は、奇想天外な課題ばかり。 年によってかなり違うので、自分に合う課題に巡り会えるかどうかは、「はっきり言って運や」と橋田は言います。 4巻に入ると、いよいよ受験本番に。 受験生たちの姿が緊張感を持って描かれていきます。 『ブルーピリオド』の見どころ 八虎の本気がかっこいい! 美術の世界にのめり込むことで、生きる目的を見つけられた八虎。 絵に向かうときの彼は、どんなシーンもかっこいいのです。 絵との出会い 八虎が、絵の魅力に最初に引きこまれたシーン。 F100号(人物画の100号。 162. 3センチ)という大きなキャンパスに描かれた緑色の肌を持つ女性たちに、八虎は思わず息を飲みます。 この絵の作者が森先輩でした。 森先輩の100号の絵を見た直後、八虎は佐伯先生から声をかけられます。 そのときの、美術は文字じゃない言語、という言葉が、彼の心にずっと残り続けるのでした。 最初の作品 美術の授業の課題「私の好きな風景」に真剣に取りかかる八虎。 朝まで遊んだ渋谷の、誰もいない青い街並みを、彼は自分なりのやり方で描いていきます。 そのときの心象風景は、こんなふうにステキに表現されます。 藝大受験の真っ最中、八虎はユカちゃんと二人、夜の海を見に電車に乗り込みます。 二人がたどり着いた場所で、ユカちゃんは八虎に、隠していた自分の気持ちを吐き出すのでした。 ずっと苦しみの中にいたユカちゃんが、再び歩き始める感動的なシークエンスです。 すごい姉を意識するマキ 藝大主席合格の姉をもつ桑名マキ。 しかも、実家に同居ということで、意識せずにはいられない存在。 姉を、藝大受験において最大のプレッシャーと感じてしまっても、仕方ないことです。 マキは基本的に笑顔で、愛想のいい女の子です。 それは感情を押し殺しているということでもあり、心の中は嵐が吹き荒れているのでしょう。 八虎との何気ない会話で、こんな発言が飛び出し、ドキリとさせられます。 油画の画材とは? 美術の世界に本格的に触れたことのない身にとっては、水彩画よりもずっとなじみの薄い油画。 いったい、どんな画材を使って、どのように描いていくのか? 全くの素人から藝大の油画科を目指す八虎を見ているうちに、どんどん分かってきます。 すべての名画は構図がいい 大葉先生による教え。 いい構図とは何か、それは5つの幾何学形態で分割できるといいます。 ここから始まる大葉先生の構図の講義は、すごく面白いです。 色の奥深さ ある難関を乗り越えた八虎は、「色」を突き詰めることに挑戦。 大葉先生の「色」の講義が始まります。 色ってほんっと~に奥深い世界よ! 始まりは3色だけでも 関係性・配分量・形・構図・素材・光・絵肌 そのほかもろもろで無限に変化する ところで『ブルーピリオド』に出てくる絵って、誰が描いてるの? 『ブルーピリオド』の登場人物たちは、とにかく絵を描きまくります。 しかも、キャラクターによって感性もスキルもまちまち。 彼らが描いた絵がコマの中に登場すると、必ずコマの脇に、誰かの名前が記されているのに気づくはず。 たとえば、世田介が最初に描いた石膏画は、大塚千春さん。 作者の山口先生以外の多くの描き手が、キャラクターの作品を担当。 『ブルーピリオド』はたくさんの「絵描き」によって成り立っている作品なのです。 『ブルーピリオド』のこれから 現在5巻で、藝大受験真っ最中という『ブルーピリオド』。 緊張感溢れる展開が続いていて、目が離せません。 しかし、受験というのは一つの壁を乗り越えることでしかなく、八虎の絵描きとしての人生は、その先が本番となっていくのです。 で、「本当は美術界の漫画をやりたいんです」と語っていた山口先生。 美術の世界に生きる若者たちを描く『ブルーピリオド』、どこまで続いていくのか注目です! 『ブルーピリオド』の感想 共感のコメント多数!読者からの感想をピックアップしてご紹介します。 『ブルーピリオド』1巻の感想 パッと見完璧くん(勉強出来て気の利くコミュ力高いヤンキー)な主人公で自分とは全然違うのに、不安とか虚無感とか自虐心とか、ネガティブな感情部分にすごく共感できた。 絵もとにかく綺麗。 水彩的なグレー処理と漫画らしいトーン、ベタが嫌味なく組み合わさっていてスゴく好きな画面。 それだけでも見る価値あるなーと思います。 2017年もギリギリで大型新作が登場です。 絵を描く、ものをつくる、あの泣き出しそうなくらいはかないドキドキが「冷たすぎずに」けれど「熱すぎずに」、ほんとに絶妙な温度感で描かれるのがいい。 ほんとーに、ちょうどいい塩梅で、そこが他の同一テーマの作品と圧倒的に違う。 どうしても漫画家はこの主題に入れ込みすぎてしまうから、ここまで根源的な「あのころ」の気持ちにまでなかなか戻れない。 思い出すことができたくらいだ。 美大の予備校行ってたころのこともめちゃめちゃ思い出しちゃって、はー……いいね。 展開がけっこう早いのもいい。 そして八虎くんである。 かわいい。 この作品はBLだ。 美術と、八虎くんのBLだ。 『ブルーピリオド』5巻(最新刊)の感想 受験生だからってただ努力してる様を見守ってくれる社会じゃない。 ボロボロになりながら、のボロボロがいかに酷なものかを描ききる執念がこの漫画の凄みになっていて、だからこそ受験が終わってからも分厚いヒューマンドラマを見せてくれるんだろうなと思える。 橋田が掘り下げられる時を今から楽しみにしている 終わりに 美大を舞台にした名作に、羽海野チカ先生のがありますが、あの作品の登場人物たちも、実はこういう受験をくぐり抜けてきたのかと思いつつ、『ブルーピリオド』を読みました。 何か一つに打ち込む主人公の姿というのは、どんなジャンルでも見応えがありますが、それが絵となれば、自分も絵を描くタイプの漫画ファンにとっては、さらに身近に感じられるのではないでしょうか? 八虎たちの姿を通して、美術の面白さを、ぜひ体感してください。

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絵の世界は激しく熱く奥深い『ブルーピリオド』感想解説|鷹野凌の漫画レビュー

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マンガが好きな人が集まって、2019年に刊行された作品の中で、もっとも人に奨めたいマンガを選んで投票する「マンガ大賞2020」が2020年3月16日に決定。 高校生の矢口八虎が東京藝術大学への入学を目指して絵画に取り組む山口つばさ『ブルーピリオド』が受賞した。 授章式には作者の山口つばさも登壇。 「あこがれている賞なので、こんな風に受賞できるとは思っていませんでした。 感慨深いです」と受賞を喜んだ。 マンガ大賞2020を『ブルーピリオド』で受賞した山口つばさ(左)。 右はマンガ大賞2019を『彼方のアストラ』で受賞した篠原健太。 自身のTwitterでアイコンになっているカエルのかぶり物姿で登場した山口つばさ。 マンガ大賞の受賞は、中国発の長編アニメーション映画『羅小黒戦記』を映画館で観て出たときに、LINEで担当者から伝えられたという。 「映画の感動と、マンガ大賞の感動で、感情が行方不明になってしまいました。 周りに話せる人がいなかったので、家に帰って噛みしめました」。 マンガ大賞2019でも『ブループリント』は最終選考にノミネートされていて、3位の好成績だったが、受賞となるとその喜びはひときわ大きかったようだ。 受賞を喜ぶ山口つばさによるイラスト。 読み切りを描き、新海誠監督のアニメーション『彼女と彼女の猫』のコミカライズを手がけた山口つばさが、次に挑んだのが自身発のオリジナル連載マンガとなる『ブルーピリオド』。 連載前、何を描くかを決めるにあたって、「担当から売れるマンガを描く努力をしてみてと言われました」。 そこで、「売れるマンガって何だろうと本屋さんに行って眺めてみて、ファンタジーかスポ根と思いました。 自分が美術を勉強していたので、美術の勉強もスポ根として描いていいかと思ったのが最初のきかっけです」と、『ブルーピリオド』誕生の経緯を振り返った。 自身も東京藝大の出身で、作中に登場する講師のような人たちからいろいろと教わって合格を果たした。 けれども、「大学に入ってから、あまりやりたいことがないなあ、みたいな感じになりました。 どうしたら良いか分からないとき、自分が好きだったものの原点に戻ろうと思いました」。 それがマンガだった。 「簡単なマンガを描いているうちに、もっとマンガを描きたいとなって、今に至らせていただいています」。 結果、こうしてマンガ大賞の受賞に至った。 マンガ家になっても、美大受験や美大進学といった経験は活かされている。 「周りに美術をやっている人が大勢いるのが、このマンガを描く上での強みです」。 取材も必要となるが、友人たちや自身の経験を盛り込んで、作品にリアリティを与えている。 2019年11月に刊行された第6巻で、いわゆる受験編が終わり、主人公の八虎は新しい場所へと向かって歩み出した。 東京藝大合格という高い壁をどう乗り越えるかが読みどころとなっていただけに、今後の展開で何を中心に持ってくるかが気になるところ。 山口つばさは、「ネタバレになるので言えませんが、描けてなかった部分、今まで当たり前だと思っていたことが、本当にそうなのかを掘り下げていけたら良い」といった構想を明かした。 授章式には、マンガ大賞2019を『彼方のアストラ』で受賞した篠原健太がプレゼンターとして登壇。 山口つばさに記念として実行委員手作りのプレートを贈った。 マンガ大賞2019を受賞して「反響が本当に多くありました」と振り返った篠原健太は、今年の受賞作『ブルーピリオド』について「ぼくも美術大学出身で、高校の時に予備校に通っていました。 読んでいて胃がキリキリと痛むような感じでした」と感想を漏らした。 山口つばさも『彼方のアストラ』を読んでいて、「父から『ブルーピリオド』よりから読んだ方が良いと言われて、その時はなにっ!みたいな気持ちだったんですが、5巻まで読んで感動して、ベッドに五体投地して泣きました」と絶賛。 お互いに作品をリスペクトしている2人がそろった授賞式となった。 作品に併せて作られる記念のプレート。 今回は作品へのコメントが描かれたミニチュアのキャンバスが並ぶ。 マンガ大賞はマンガ好きの書店員と、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが中心となって発足した。 人にいちばん勧めたいマンガを選ぶというコンセプトで選考員が最初に5作品を挙げて投票。 得票数の多い上位10作品を最終候補としてノミネートし、これを選考員がすべて読んだうえで上位3作品を選んで投票し、最も得票数の多かった作品が大賞となる。 マンガ大賞2020のノミネート作。 マンガ大賞2020の投票結果は次のとおり。 大賞 『ブルーピリオド』 山口つばさ 69ポイント• 3位 『スキップとローファー』 高松美咲 58ポイント• 4位 『波よ聞いてくれ』 沙村広明 57ポイント• 5位 『水は海に向かって流れる』 田島列島 56ポイント• 6位 『ミステリと言う勿れ』 田村由美 54ポイント• 7位 『夢中さ、きみに。 』 和山やま 50ポイント• 8位 『チェンソーマン』 藤本タツキ 40ポイント• 9位 『まくむすび』 保谷伸 36ポイント• 10位 『違国日記』 ヤマシタトモコ 31ポイント• 11位 『僕の心のヤバイやつ』桜井のりお 24ポイント• 12位 『あした死ぬには、』 雁須磨子 20ポイント.

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【ブルーピリオド:32話】最新話ネタバレ|藝大祭の準備と台風の直撃予報|漫画キャッスル

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マンガが好きな人たちが集まって、2019年に刊行された作品の中で、もっとも人に勧めたいマンガを選んで投票する「マンガ大賞」2020が3月16日に決定。 高校生の矢口八虎が絵画で東京藝術大学への入学を目指す、山口つばさ氏の『ブルーピリオド』が受賞した。 授賞式には、作者の山口つばさ氏が、女子高生だったころに被った経験があり、今もTwitterのアイコンにしているカエルの被り物で登壇した。 「マンガ大賞」2019を『彼方のアストラ』で受賞した篠原健太氏から記念のプレートを受け取った。 (左:山口つばさ氏、右:昨年受賞の篠原健太氏) 篠原氏は『ブルーピリオド』を読んでいて、「僕も美術大学出身で、高校生の時に予備校に通っていました。 受験当日のあるあるがたくさん描かれていて、汗をかきながら楽しませていただきました」と感想を話した。 逆に山口氏は、「父から『彼方のアストラ』は『ブルーピリオド』より面白いから読んだほうが良いと言われました。 読んだら感動でベッドイン五体投地して泣きました」と『彼方のアストラ』を絶賛した。 マンガ大賞2019でも『ブルーピリオド』は最終候補としてノミネートされ、3位と好位置にはつけたが受賞を逃した。 山口氏は「あこがれていた賞でした。 当日まで本当かなと思っていました」と受賞がなかなか信じられなかった様子。 授賞式に臨んで実感もわいたようで、「お父さん見てるー?」とカメラに向かって声をかけ、「感慨深いです。 有難いです」と喜びをあらわにした。 『ブルーピリオド』1巻書影 優等生だがガリ勉ではなく、頭を金髪にして友人たちとサッカーの試合をみて騒ぎ、未成年ながらもタバコも吸う人間だった矢口八虎。 それがある日、入り込んだ美術室で1枚の絵を見て心に来るものを感じ、誘われるようにして美術部に入って絵を描き始める。 そこで知ったのが、東京大学よりも難関だという東京藝術大学の存在。 自分自身がやりたいと思える対象として、絵画にのめりこんでいった八虎は、そのまま東京藝大美術学部の油画を目指すようになる。 『ブルーピリオド』とはこういったストーリー。 いわば部活もので受験もの。 運動系なら野球にサッカーに柔道に剣道に長刀と豊富な類例があるし、文化系でも「マンガ大賞」2020で候補にあがった保谷伸氏の『まくむすび』が高校の演劇部を舞台にしている。 『ブルーピリオド』は高校の美術部に止まらず美大を目指す予備校に範囲をひろげ、そこに集まって同じ目標に向かいカンバスに向かう若者たちの悩みや苦しみ、そして描くことの喜びをマンガにしている。 山口氏によれば、初のオリジナル連載を始めるにあたって、担当編集者から「売れるマンガを描く努力をしてみてと言われた」という。 「売れるマンガって何だろうと本屋さんに行って眺めてみて、ファンタジーかスポ根と思いました。 自分が美術を勉強していたので、美術の勉強もスポ根として描いて良いかと思ったのがきっかけです」。 文科系でありながらスポ根もののような熱さが『ブルーピリオド』からほとばしるのは、発端にそうした意識があるからなのかもしれない。 努力した結果、意外な才能が花開き、けれども壁にぶつかって挫折しそうになり、それでも乗り越えて結果をつかむ。 青春の王道とも言えそうな筋が『ブルーピリオド』にはあって、八虎が絵画の分野で成長していく姿をいっしょになって追っていける。 その過程で行われる先輩からの助言であり、美術部の顧問からの指導であり、通うようになった美大予備校の講師からの教育が、絵を描く上でのアドバイスにもなっている。 『ブルーピリオド』に投票した人からは、「『情熱』と『テクニック』という一見、相反する2つの要素を『美大受験』という一つの舞台に盛り込んだ。 これで燃えないわけがない」(ダ・ヴィンチ編集長・関口靖彦)というコメントや、「これを読んでぼくも絵を描き始めました!(半分ほんと)熱い!青い!最高! ちなみにウチの子供(8歳)のベスト1マンガらしいです。 伝わってる!」(作家・海猫沢めろん)といったコメントが寄せられている。 ほかにも、「音楽を表現しようと試みるマンガはいくつかあったけど、『絵を描くこと』とはどういうことか、を表現するマンガはあまりなかったのでは。 『美大受験』という業界モノとして楽しめる一方、表現する衝動、楽しさ、苦しさがありありと伝わってきて、心ゆさぶられます」(ブログ「マンガ食堂」管理人・梅本ゆうこ)といったコメントも。 いずれも絶賛。 そして、作品から何かを感じ取っている。 作品に描かれた美大合格のためのテクニックは、美大合格のための参考になりそうだが、『ブルーピリオド』をそうした受験テクニックを学ぶマンガとして読んではつまらない。 絵とは何か。 なにをどう描き、どう見せるのかを突き詰めることで、自分が絵を描く意味が感じられるようになる。 八虎が新しい道へと踏み出す7巻以降の展開では、それが大きなテーマになってきそう。 授賞式で山口氏は将来構想について聞かれ、「ネタバレになるので言えませんが、描けてなかった部分、今まで当たり前だと思っていたことが、本当にそうなのかを掘り下げていけたら良いです」と答えた。 芸術の神髄に迫るような展開になるのか。 それとも山口氏自身が「入って1年生の時に、何を描いたら良いか分からなくなってしまったんです。 そこで、自分が好きだったものの原点に戻ろうと思いマンガを描き始めた」ように違う道を模索するような展開になるのか。 今後が楽しみだ。

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