本好きの下剋上 オティーリエ。 『本好きの下剋上』

本好きの下剋上 (ほんずきのげこくじょう)とは【ピクシブ百科事典】

本好きの下剋上 オティーリエ

窓の外が白み始める頃、私は目を覚ますと同時にベッドを飛び降りた。 素早く身支度を整えて食堂へ急ぐ。 朝食はいつも同じ、パンとスープ、冷肉の簡素な食事だ。 気がせいてろくに噛まずに呑み込みたくなるが、意識してゆっくり噛む。 ローゼマイン様のレシピのふわふわパンではないが、騎士寮の朝食には干した果物やナッツが入ったパンが出される。 以前は何も入っていない味気ないパンだったそうだが、騎士寮の食事について話を聞いたローゼマイン様が、「一日を元気に過ごすために朝食はとても大切です。 せめて少しでも美味しく楽しく栄養が取れるようにいたしましょう」とアウブ・エーレンフェストに掛け合ってくださったという。 私はパンの単調な味があまり得意ではなかったので、ローゼマイン様のお心遣いがありがたい。 また、毎日とまではいかないが、切った果物がつくこともある。 食べ終えたらもう一度身支度を確認し、ラウレンツと共に騎士寮を出た。 ユーディットと第一訓練場で待ち合わせて神殿へ向かう。 今日のローゼマイン様の昼の護衛はラウレンツとユーディットだ。 護衛任務のない私が神殿に行くのは、今日は一日ローゼマイン様とご一緒する番だからだ。 ローゼマイン様に名を捧げた者達は元々未成年ばかりで、親と決別したか親が処刑されたかのどちらかだ。 ローゼマイン様は給金以外にも何かしらの名目をつけてはお金を融通してくださるが、それでも生活はかつかつだ。 当然ながら楽師や教師を雇う余裕などない。 そこでローゼマイン様は、名捧げ組を何日かに一度ご自分と一日過ごさせることで、職務以外の学業の復習と予習ができるようにとご配慮くださったのだ。 当初、ローゼマイン様は未成年の名捧げ組だけのつもりであったが、主と一日共にいられる機会をハルトムートとクラリッサが見過ごすわけがない。 滔々とローゼマイン様への敬愛と賛美を語り連ねて懇願し、根負けしたローゼマイン様が平等を期すためにと、名捧げの有無や成人未成年を問わずすべての側近を対象にすることになった。 食事もローゼマイン様と共にいただくことになるので、これには他の側近たちも喜んでいて、とくにユーディットとダームエルは非常に嬉しそうだった。 オティーリエはクラリッサの監視と、冬にローゼマイン様の側仕えとなるベルティルデの教育で忙しいからという理由で辞退したのだが、少し残念そうな顔をしていた。 神殿に着いたのは二の鐘が鳴ってすぐだ。 ローゼマイン様の朝食が終わられるのを待ち、神殿の側仕えと今日の予定を確認する。 前日夜番の護衛であるダームエルとレオノーレはラウレンツ達と引継ぎをすませると城へと戻っていった。 文官のローデリヒや孤児院長でもあるフィリーネは神殿にいることが多いのだが、今日はそれぞれ業務の関係で城に詰めているそうだ。 ローゼマイン様を独占できるようで少しうれしい。 朝は必ず音楽の時間だ。 ローゼマイン様の楽師であるロジーナの指導の下、ローゼマイン様と並んでフェシュピールを構える。 まずは運指の練習曲から始まるのだが、単純な繰り返しの曲だからこそ、逆に技量が際立つ。 私は同学年の中でもそれなりだと自負しているが、ローゼマイン様の音は別格だ。 音色はあくまでも柔らかく、しかし音の粒は潰れることなく、淀みなく連なり零れていく。 指が温まったらそれぞれの課題曲の練習になる。 最終学年の私は自由曲として、フェルディナンド様がフェシュピールコンサートで弾かれたというライデンシャフトに捧げる曲を選んだ。 フェルディナンド様が弾かれたそのままではなく、ローゼマイン様がロジーナに命じて私の技量に合わせて編曲し直してくださったものだ。 それでも弾きこなすのは難しく、たびたびロジーナの指摘が入る。 三の鐘が近くなったらローゼマイン様の奉納舞の稽古となる。 椅子や机をよけて空けた場所で軽い準備運動をされると、ローゼマイン様は私を見てにこりと微笑んだ。 「ではマティアス。 よろしくお願いします」 私は頷いてフェシュピールを抱え直す。 ローゼマイン様がその場に跪き床に手をつくと、ふっとその場の雰囲気が変わった。 「我は世界を創り給いし神々に祈りと感謝を捧げる者なり」 フェシュピールの音に合わせて、ゆるりとローゼマイン様の両腕が上がる。 そのままふわりと立ち上がる様は、まるで体重を感じさせない。 動きに合わせてたなびく袖はフリュートレーネの清らかなる流れのようで、翻る夜空色の髪と虹色簪の煌めきは闇の神のマントから溢れる星のかけらのようだ。 見惚れて指が止まりそうになるのを堪え、私は懸命に弦を爪弾く。 ローゼマイン様の練習の伴奏をできる名誉を得られた事は、まさに神々に感謝を捧げる僥倖だ。 ローゼマイン様が卒業式で舞を奉納される時には、魔石を光らせて祝福を振り撒く姿が見られるだろうか。 卒業式の日は絶対に護衛任務を勝ち取らねばならない。 三の鐘が鳴ったらローゼマイン様は一度衣を整えられ、神官長室へと向かう。 昼までは神殿業務だ。 先に神官長室にいらしていたメルヒオール様は純粋な笑顔だが、ハルトムートはローゼマイン様には満面の笑みを浮かべるものの、私に対しては目が笑っていない。 一日中一緒にいられる者への嫉妬が抑えられないらしい。 いつもの事なので無視して手伝いのために割り当てられた席へと向かう。 護衛騎士のうちユーディットはともに業務を手伝うが、ラウレンツは扉の前で護衛に徹している。 計算があまり得意ではないラウレンツは、なるべく神殿業務に関わらないよう逃げ回っているのだ。 それでもローゼマイン様や他の側近から声を掛けられれば、嫌々ながら席につくだけアンゲリカよりかはましだ。 アンゲリカは……、いや、アンゲリカはあれでいいのだろう。 最近のローゼマイン様は執務の大半を青色神官達に任せ、フランと相談しつつメルヒオール様のための引継書を作成されている。 以前、ローゼマイン様が神殿長になられたときにフラン達が用意した儀式の手順書やローゼマイン様ご自身の覚書を元に、一年を通したすべての儀式の流れと注意事項を一冊の本にするのだそうだ。 時おりメルヒオール様を呼ばれては、わかりにくい点や疑問点がないかを確認されている。 メルヒオール様を見るローゼマイン様の目は柔らかく、本当にメルヒオール様を可愛がられていることがわかる。 四の鐘が鳴ったら、恨めし気なハルトムートの視線に見送られて私たちは神殿長室に戻る。 一日で最も楽しみな昼食の時間だ。 部屋に戻るとすでに用意は整っていて、席に座るとすぐに一皿目のサラダが目前に置かれた。 旬がもうすぐ終わるフーシャとポメを生のまま櫛切りにし、ドレッシングであえてある。 フーシャの緑とポメの黄色、下に敷かれたヴェルの葉の赤の取り合わせが目にも鮮やかで美しい。 神々に祈りを捧げ、ローゼマイン様が先に口にされるのを待って、私もフーシャを口に運んだ。 少しくたりとした、しかし歯ごたえの残るフーシャにドレッシングの独特の風味がなじんで、噛むごとに口の中に幸せが広がる。 ローゼマイン様のレシピが出回るようになって野菜の美味しさに目覚めた私だが、その中でも特にフーシャやレズークは格別だ。 伝統的な料理の中で使われているときは、くたくたに煮られて歯ごたえもな味もない、ただ嵩を増すための野菜としか認識していなかった。 しかしローゼマイン様の料理で使われているフーシャは、他の素材の味や旨味を吸い込み、そこにフーシャ自身のほのかな甘味が加わることで格別の美味しさを生み出すのだ。 ……このドレッシングは初めての味だな。 レージとリーガはわかる。 少しツィーネも使われているだろう。 しかしこのドレッシングの風味を決めている細かい塩漬けの肉のようなもの、その正体がわからない。 私が知る肉とは違う。 「このドレッシングは初めて食べますが、何で作られているのですか?」 「うふふん。 『アンチョビ』ドレッシングです」 ローゼマイン様は得意げに笑った。 「フェルディナンド様が送ってきてくれたお魚の中によさそうなものがあったので作ってみたのです。 お魚を塩と油で漬けた保存食なのですが、マティアスも気に入ったようでよかったです。 色々な料理の味付けに使えるし、酒のつまみにも適しているのですが、塩辛いので食べ過ぎには注意が必要なのですよ」 次に出されたスープはカルフェ芋を完全に潰して生クリームと混ぜた冷たいスープだった。 冷たいスープなど初めて飲んだが、ひんやりとした滑らかな口当たりがとても美味しい。 ローゼマイン様はどこからこういった知識を得られるのだろうか。 ローゼマイン様の考案される新しい料理はどれも斬新で美味しく、ハルトムートの言うように食の神 クウェカルーラの寵愛を得ているに違いない。 しかし、次に目前に置かれた皿を見て私は首を傾げることとなった。 半月切りにされたレズークやポメなどの野菜と豚肉が少しずつ重なるように並べられている。 肉と野菜が交互に並べられているので見た目はそれなりだが、ただ茹でただけの野菜と肉を並べただけのように見えた。 ローゼマイン様の食卓に出される料理としては、あまりに手抜きなように思える。 「夏野菜と豚肉の重ね蒸しです。 ソースは二種類あるので、好きな方をつけて食べてください」 「重ね蒸しですか。 蒸すとはたしか、蒸気だけで調理する方法でしたね」 以前、プリンというお菓子をいただいた時の説明を思い出す。 調理法など何も知らない私でも、かなり単純な調理法のように思えた。 私はレズークに茶色くどろりとしたソースをかけ、あまり期待せずに口に入れた。 ただ茹でただけのものとは比べ物にならない、何倍もの深いレズークの味わいが舌に広がる。 しかしそれだけではない。 野菜の素朴であるが華やかさなのない味に、重ねられていた肉の甘い脂が絡んで彩りを与えている。 コクのあるソースも実によく合う。 マヨネーズにすりつぶしたヌーストを混ぜたもののようだ。 次に肉を食べる。 こちらもまた美味い。 強く、しかし単純な肉の主張に、うっすらとうつった野菜の滋味が複雑さを加えている。 ソースはラニーエのみじん切りとツィーネと植物油を合わせたものをかけたが、ツィーネの酸味とラニーエの甘味がまた合っている。 そして、ローゼマイン様の勧めに従って肉と野菜を一度に口に入れてみた。 一口二口噛んだところで動きが止まる。 ……なんという……。 口内に広がる美味さをどう表現していいのかわからない。 思わずローゼマイン様に目を向けると、輝くような笑顔が返ってきた。 私は再び顎を動かす。 噛むにつれて混ざりあっていく野菜と肉の旨味、野菜の歯ごたえと肉の弾力。 野菜だけで食べるのも、肉のみを食べるのもどちらも非常に美味しかったが、これは両方一度に食べるのが正解だ。 「いかがですか、マティアス?」 「……とても、美味しいです」 馬鹿みたいに面白みのない返事だが、それしか言葉がでない。 美味しさに支配されたまま半ば無意識に食べ続ける。 フォークが止まらない。 ソースが二種類、野菜も何種類もあることで味に飽きもこない。 またたく間に皿は空になり、私はおかわりを所望した。 二皿目を空にして満足の息をついた私を見て、ローゼマイン様が笑った。 「暑さが続いて食欲が落ちているようでしたけれど、これならお肉があまり得意ではないマティアスも量を食べられそうですね」 予想外の言葉に私は思わず目を見開く。 「……ご存じだったのですか」 ……肉が得意ではないことももちろんだが、最近食が進まないことまでご存じだとは思っていなかった。 「騎士職は体が資本ですから。 少しでも食が進むようにフーゴと考えたのです」 何でもないことのようにローゼマイン様はおっしゃるが、側近にそこまで心を砕く方はそういない。 たとえば、『ポトフ』。 根野菜とソーセージやベーコンをコンソメスープで煮込んだ私の好きなスープだが、私の皿には何も言わなくても他の側近に比べてメーレンやラニーエが多く入っている。 たとえば、『ロールキャベツ』。 細かく刻んだ肉とラニーエを葉野菜で包んで色々な味のスープで煮込んだものだが、私や女性騎士が護衛の時にはコンソメスープやポメベースが多く、護衛騎士が男性だけの時はホワイトソースかブラウンソースが多かった。 側近の好みや体調に合わせて細かく変えられる献立も皿への料理の盛られ方も、すべてはローゼマイン様の指示による細やかな気遣いだ。 アーレンスバッハのゲオルギーネ様の元にいるかもしれない父上や処刑された母上のことを考える。 私はほとんど顧みられることのない子供だった。 夕食を共にしても父上と母上だけで話が進み、食後の挨拶さえおざなりだった。 おそらく私の好物など知りもしなかっただろう。 「マティアス?」 目の奥が熱くなるのを堪え、私は自分の定めた主に笑顔を向ける。 「……ありがとうございます、ローゼマイン様。 幸せです」 ローゼマイン様はきょとんとした後、嬉しそうに笑った。 「美味しいものは人を幸せにしますからね。 他にも色々と考えている料理があるのです。 また試食して感想を教えてください、マティアス」 主菜はフェルディナンド様がアーレンスバッハから送られてきたガルネシェルという素材のクリームパスタ、デザートは甘く煮て冷やしたプラーレのクリームがけだった。 いずれも珠玉の味だった。 atwiki. html)に大変お世話になりました。 本編の親子対決前に間に合った…! 発露が迷惑でないだけでマティアスさんの狂信度はハルトムートとどっこいだと思うんですがどうだろう。 親子対決でのマティアスさんの活躍を願って「本好き」チームに捧げます。

次の

オティーリエ

本好きの下剋上 オティーリエ

75 ID:lwToRXG0. net 小説家になろう、書籍で活動中の香月美夜氏の総合スレッドです。 雑談・考察等々自由にどうぞ。 ・テンプレはまで。 ・過度な特定キャラへの叩きは控えてください。 ・荒らしはスルー。 ・書籍版のネタバレ解禁は公式発売日の24時 翌日0時 から。 ・次スレはが宣言して立てる。 73 ID:lwToRXG0. 23 ID:lwToRXG0. Net! 87 ID:w3EjODrJ. net \育成の神アーンヴァックスの祝福を、スレ民に!/ ,. :::. 19 ID:BY0YN2dY. 90 ID:07CliLBZ. 70 ID:608V8BOe. net 漫画版と原作の比較をするだけで、一〜二週間くらいは耐えれそうな自分がいる。 ベンノさんのデザインもそうだけど、細かいところで読み飛ばしてたところがあるから、マジ新鮮。 12 ID:uGr7JHgg. net 今更だけどさ、髪と瞳の色がやたらカラフルな世界だよね。 94 ID:O25KWzHm. 53 ID:T4bMrRGL. 86 ID:KY799mT0. 91 ID:i4yxT5uv. net 領地対抗戦とか共同研究とかどーなったのか気になるね。 91 ID:8TxZSque. 38 ID:jgGHSp1b. net 547話 >「昨日お借りしたフェルネスティーネ物語を早速読み始めたのですよ。 なかなか止められなくてコルドゥラに叱られました。 88 ID:8yRgA4vG. net 本好きも、最後はとても感動するいいはなしになるといいな。 20 ID:wnwtSCxg. 59 ID:ab5NCmLq. net ダームエル「別にあれを(本棚に)なおしてしまってもいいのだろう」 地雷さん「ロゼマ式でお願いします」 ヒロインさん「6回も直すなんて、しかも、別の方法をつかって、、」 イイハナシカナー? 80 ID:mMqtkvCK. 22 ID:8yRgA4vG. 11 ID:rfF6A1Il. net 友達から 「本来! (20行ぐらい空白) の夢を見た」 ってメールがきた。 騙されて見に行った。 72 ID:C5rVxWmp. 30 ID:rfF6A1Il. 08 ID:8yRgA4vG. 60 ID:wnwtSCxg. 40 ID:D9iXvQn4. 85 ID:D9iXvQn4. 09 ID:G9amn9Iu. 46 ID:6xDOgmxP. net 1日入れ替わりや養女になって初登城の巻なら、ジルやフェルの幼少期のリヒャルダ視点も見たい。 お母様がオティーリエに側使え依頼するシーンも見たいけど、フェル様があれだけ嫌そうな顔したんだもの。 95 ID:b5jKRkhi. 00 ID:iGuyMx3H. 98 ID:GweV9OQE. 34 ID:oubZwHyo. 22 ID:dv7bE3hk. 60 ID:wnwtSCxg. 44 ID:oubZwHyo. 43 ID:FOuKjq7P. 40 ID:SnvRGgjC. net 他作品の名前は極力出さないのがこの手の掲示板のマナーみたいなものですし… だって、こういうふうに荒れますからね。 65 ID:wnwtSCxg. 48 ID:A3WRXyA9. net ガマガエル視点の閑話が読みたいな。 前神殿長との賄賂のやり取りで「そちも悪よのー」からの、 「魔力はいくらあっても困らんからのう 愚夫愚婦」を経て、 電池として生きる事になった後悔をぼやいて欲しい。 84 ID:7fvmIkJe. 74 ID:r3i1dhDF. net ……言われてみれば! 他のNAISEIものは鼻につくのが多いけど(個人の感想です)、 本好きは何故か自然に受け入れれたんだよな…… やっぱり無いのは無いなりに、ちゃんとした理由付けがあるからだろうか (砂糖が入ってきたばかりで研究が進んでない。 身食い対策の為にスープの茹で汁は捨てる。 net 直接、政治手腕を振るってないのも大きい理由だと思われ。 48 ID:besjBrgW. 51 ID:aLDEaJLI. 37 ID:2u87VO6e. 67 ID:ab5NCmLq. 67 ID:B3Ls26Tz. net まあまあ、NAISEI に突っ込み入れると、なろう作品の3割と、 なろう読者の6割の心の柔らかい部分を逆撫でするから、 言及しない方が平和。 この作品のアンチの半分ぐらいは、その辺のコンプレックスで生まれたと思ってる。 74 ID:IO556Hj0. 61 ID:cdOx9V5S. 09 ID:tnRVrnMg. net まあ本自体は地雷さんの「広く一般に知識を継承出来るのが素晴らしい」 って考え方に対して元々は「高価で知識と権威の象徴」ぽい扱いだから エーレンファストの本は薄くてペラいって認識で、それ開発した地雷さん SuGeee一辺倒の評価じゃないしな。 安価なエーレンファスト紙だからできる娯楽本の量産とか 印刷の可能生とかも、一部が気付いてる程度だと思う。 植物紙の生産性もまだまだ羊皮紙に対して圧倒的に安価でもないし 逆にそこら辺は魔木紙原料の魔紙なんかは別の価値が出ちゃってるから 植物紙普及の為に生産方法売るのも慎重にならなきゃならんし いろいろ、主人公マンセーまではまだまだっぽいところが逆にいいんじゃないかな。 つーか、物語のなかで主人公マンセーな状況になっても、 多分安価な紙とか本とか印刷の普及が要因じゃなくて、地雷さん的には 「そんな所を評価されても……」な気分から逃れられない気がする。 30 ID:BKVgSDYv. net 確かに地雷さん的に評価が高い人間も、自分の暴走を止めてくれる人間が多い気がする。 95 ID:9CcLXqtI. 96 ID:3aispKPM. 68 ID:3aispKPM. net やっぱりジルがレアケースで、ヴェロの血すじってダメ、もとい、時代に合ってないんだろうな。 net よく考えたら、ジルが特別なんじゃなくて、ヒロインさんとカルと嫁に恵まれただけだった。 08 ID:tnRVrnMg. net ディートリンデはちゃんと教育されてない上に、極端に情報が制限されてるから 白痴でもなんでもなく、本人にとってはアレが正義なんだよ。 あまり読み返したくはないけど、彼女視点のSSはなかなか納得できるものがあったぞ。 本人にとっては(売春を取り仕切ってる)汚れた神殿にいた男と無理矢理結婚させられた 挙げ句、自分は中継ぎとか信じられんだろ。 愚かな王族を配して、国から追い出された王の血筋の支持を受けて、 自分が国を救ってあげるのだと本気で思ってる。 立場は違えば正義が違う良い例じゃないの。 エーレン内部の故老が地雷さんのもたらすものを 受け入れられないとの一緒。 21 ID:Ks4U18z2. 18 ID:Ehz124S2. net 地雷さんのことをガン無視したり、神殿育ちを暴露したりしたくせにリンシャン要求してみたりとか、 エーレンフェスト相手には何を要求してもおkって本気で思ってるところとか、 奉納式で光り輝こうとしたりとか、 光り輝こうとして気絶したことを「ローゼマイン様に騙された」と考えたりとか、 教育不足ってだけじゃこうはならないだろという正確の悪さがにじみ出ている気がするのですがそれは。 18 ID:rfF6A1Il. 97 ID:4axqV9de. net 貴族院でて教師になれるようなレベルでもアレなんだから土地柄なんじゃねーの 総レス数 1000 277 KB.

次の

3期決定 本好きの下

本好きの下剋上 オティーリエ

窓の外が白み始める頃、私は目を覚ますと同時にベッドを飛び降りた。 素早く身支度を整えて食堂へ急ぐ。 朝食はいつも同じ、パンとスープ、冷肉の簡素な食事だ。 気がせいてろくに噛まずに呑み込みたくなるが、意識してゆっくり噛む。 ローゼマイン様のレシピのふわふわパンではないが、騎士寮の朝食には干した果物やナッツが入ったパンが出される。 以前は何も入っていない味気ないパンだったそうだが、騎士寮の食事について話を聞いたローゼマイン様が、「一日を元気に過ごすために朝食はとても大切です。 せめて少しでも美味しく楽しく栄養が取れるようにいたしましょう」とアウブ・エーレンフェストに掛け合ってくださったという。 私はパンの単調な味があまり得意ではなかったので、ローゼマイン様のお心遣いがありがたい。 また、毎日とまではいかないが、切った果物がつくこともある。 食べ終えたらもう一度身支度を確認し、ラウレンツと共に騎士寮を出た。 ユーディットと第一訓練場で待ち合わせて神殿へ向かう。 今日のローゼマイン様の昼の護衛はラウレンツとユーディットだ。 護衛任務のない私が神殿に行くのは、今日は一日ローゼマイン様とご一緒する番だからだ。 ローゼマイン様に名を捧げた者達は元々未成年ばかりで、親と決別したか親が処刑されたかのどちらかだ。 ローゼマイン様は給金以外にも何かしらの名目をつけてはお金を融通してくださるが、それでも生活はかつかつだ。 当然ながら楽師や教師を雇う余裕などない。 そこでローゼマイン様は、名捧げ組を何日かに一度ご自分と一日過ごさせることで、職務以外の学業の復習と予習ができるようにとご配慮くださったのだ。 当初、ローゼマイン様は未成年の名捧げ組だけのつもりであったが、主と一日共にいられる機会をハルトムートとクラリッサが見過ごすわけがない。 滔々とローゼマイン様への敬愛と賛美を語り連ねて懇願し、根負けしたローゼマイン様が平等を期すためにと、名捧げの有無や成人未成年を問わずすべての側近を対象にすることになった。 食事もローゼマイン様と共にいただくことになるので、これには他の側近たちも喜んでいて、とくにユーディットとダームエルは非常に嬉しそうだった。 オティーリエはクラリッサの監視と、冬にローゼマイン様の側仕えとなるベルティルデの教育で忙しいからという理由で辞退したのだが、少し残念そうな顔をしていた。 神殿に着いたのは二の鐘が鳴ってすぐだ。 ローゼマイン様の朝食が終わられるのを待ち、神殿の側仕えと今日の予定を確認する。 前日夜番の護衛であるダームエルとレオノーレはラウレンツ達と引継ぎをすませると城へと戻っていった。 文官のローデリヒや孤児院長でもあるフィリーネは神殿にいることが多いのだが、今日はそれぞれ業務の関係で城に詰めているそうだ。 ローゼマイン様を独占できるようで少しうれしい。 朝は必ず音楽の時間だ。 ローゼマイン様の楽師であるロジーナの指導の下、ローゼマイン様と並んでフェシュピールを構える。 まずは運指の練習曲から始まるのだが、単純な繰り返しの曲だからこそ、逆に技量が際立つ。 私は同学年の中でもそれなりだと自負しているが、ローゼマイン様の音は別格だ。 音色はあくまでも柔らかく、しかし音の粒は潰れることなく、淀みなく連なり零れていく。 指が温まったらそれぞれの課題曲の練習になる。 最終学年の私は自由曲として、フェルディナンド様がフェシュピールコンサートで弾かれたというライデンシャフトに捧げる曲を選んだ。 フェルディナンド様が弾かれたそのままではなく、ローゼマイン様がロジーナに命じて私の技量に合わせて編曲し直してくださったものだ。 それでも弾きこなすのは難しく、たびたびロジーナの指摘が入る。 三の鐘が近くなったらローゼマイン様の奉納舞の稽古となる。 椅子や机をよけて空けた場所で軽い準備運動をされると、ローゼマイン様は私を見てにこりと微笑んだ。 「ではマティアス。 よろしくお願いします」 私は頷いてフェシュピールを抱え直す。 ローゼマイン様がその場に跪き床に手をつくと、ふっとその場の雰囲気が変わった。 「我は世界を創り給いし神々に祈りと感謝を捧げる者なり」 フェシュピールの音に合わせて、ゆるりとローゼマイン様の両腕が上がる。 そのままふわりと立ち上がる様は、まるで体重を感じさせない。 動きに合わせてたなびく袖はフリュートレーネの清らかなる流れのようで、翻る夜空色の髪と虹色簪の煌めきは闇の神のマントから溢れる星のかけらのようだ。 見惚れて指が止まりそうになるのを堪え、私は懸命に弦を爪弾く。 ローゼマイン様の練習の伴奏をできる名誉を得られた事は、まさに神々に感謝を捧げる僥倖だ。 ローゼマイン様が卒業式で舞を奉納される時には、魔石を光らせて祝福を振り撒く姿が見られるだろうか。 卒業式の日は絶対に護衛任務を勝ち取らねばならない。 三の鐘が鳴ったらローゼマイン様は一度衣を整えられ、神官長室へと向かう。 昼までは神殿業務だ。 先に神官長室にいらしていたメルヒオール様は純粋な笑顔だが、ハルトムートはローゼマイン様には満面の笑みを浮かべるものの、私に対しては目が笑っていない。 一日中一緒にいられる者への嫉妬が抑えられないらしい。 いつもの事なので無視して手伝いのために割り当てられた席へと向かう。 護衛騎士のうちユーディットはともに業務を手伝うが、ラウレンツは扉の前で護衛に徹している。 計算があまり得意ではないラウレンツは、なるべく神殿業務に関わらないよう逃げ回っているのだ。 それでもローゼマイン様や他の側近から声を掛けられれば、嫌々ながら席につくだけアンゲリカよりかはましだ。 アンゲリカは……、いや、アンゲリカはあれでいいのだろう。 最近のローゼマイン様は執務の大半を青色神官達に任せ、フランと相談しつつメルヒオール様のための引継書を作成されている。 以前、ローゼマイン様が神殿長になられたときにフラン達が用意した儀式の手順書やローゼマイン様ご自身の覚書を元に、一年を通したすべての儀式の流れと注意事項を一冊の本にするのだそうだ。 時おりメルヒオール様を呼ばれては、わかりにくい点や疑問点がないかを確認されている。 メルヒオール様を見るローゼマイン様の目は柔らかく、本当にメルヒオール様を可愛がられていることがわかる。 四の鐘が鳴ったら、恨めし気なハルトムートの視線に見送られて私たちは神殿長室に戻る。 一日で最も楽しみな昼食の時間だ。 部屋に戻るとすでに用意は整っていて、席に座るとすぐに一皿目のサラダが目前に置かれた。 旬がもうすぐ終わるフーシャとポメを生のまま櫛切りにし、ドレッシングであえてある。 フーシャの緑とポメの黄色、下に敷かれたヴェルの葉の赤の取り合わせが目にも鮮やかで美しい。 神々に祈りを捧げ、ローゼマイン様が先に口にされるのを待って、私もフーシャを口に運んだ。 少しくたりとした、しかし歯ごたえの残るフーシャにドレッシングの独特の風味がなじんで、噛むごとに口の中に幸せが広がる。 ローゼマイン様のレシピが出回るようになって野菜の美味しさに目覚めた私だが、その中でも特にフーシャやレズークは格別だ。 伝統的な料理の中で使われているときは、くたくたに煮られて歯ごたえもな味もない、ただ嵩を増すための野菜としか認識していなかった。 しかしローゼマイン様の料理で使われているフーシャは、他の素材の味や旨味を吸い込み、そこにフーシャ自身のほのかな甘味が加わることで格別の美味しさを生み出すのだ。 ……このドレッシングは初めての味だな。 レージとリーガはわかる。 少しツィーネも使われているだろう。 しかしこのドレッシングの風味を決めている細かい塩漬けの肉のようなもの、その正体がわからない。 私が知る肉とは違う。 「このドレッシングは初めて食べますが、何で作られているのですか?」 「うふふん。 『アンチョビ』ドレッシングです」 ローゼマイン様は得意げに笑った。 「フェルディナンド様が送ってきてくれたお魚の中によさそうなものがあったので作ってみたのです。 お魚を塩と油で漬けた保存食なのですが、マティアスも気に入ったようでよかったです。 色々な料理の味付けに使えるし、酒のつまみにも適しているのですが、塩辛いので食べ過ぎには注意が必要なのですよ」 次に出されたスープはカルフェ芋を完全に潰して生クリームと混ぜた冷たいスープだった。 冷たいスープなど初めて飲んだが、ひんやりとした滑らかな口当たりがとても美味しい。 ローゼマイン様はどこからこういった知識を得られるのだろうか。 ローゼマイン様の考案される新しい料理はどれも斬新で美味しく、ハルトムートの言うように食の神 クウェカルーラの寵愛を得ているに違いない。 しかし、次に目前に置かれた皿を見て私は首を傾げることとなった。 半月切りにされたレズークやポメなどの野菜と豚肉が少しずつ重なるように並べられている。 肉と野菜が交互に並べられているので見た目はそれなりだが、ただ茹でただけの野菜と肉を並べただけのように見えた。 ローゼマイン様の食卓に出される料理としては、あまりに手抜きなように思える。 「夏野菜と豚肉の重ね蒸しです。 ソースは二種類あるので、好きな方をつけて食べてください」 「重ね蒸しですか。 蒸すとはたしか、蒸気だけで調理する方法でしたね」 以前、プリンというお菓子をいただいた時の説明を思い出す。 調理法など何も知らない私でも、かなり単純な調理法のように思えた。 私はレズークに茶色くどろりとしたソースをかけ、あまり期待せずに口に入れた。 ただ茹でただけのものとは比べ物にならない、何倍もの深いレズークの味わいが舌に広がる。 しかしそれだけではない。 野菜の素朴であるが華やかさなのない味に、重ねられていた肉の甘い脂が絡んで彩りを与えている。 コクのあるソースも実によく合う。 マヨネーズにすりつぶしたヌーストを混ぜたもののようだ。 次に肉を食べる。 こちらもまた美味い。 強く、しかし単純な肉の主張に、うっすらとうつった野菜の滋味が複雑さを加えている。 ソースはラニーエのみじん切りとツィーネと植物油を合わせたものをかけたが、ツィーネの酸味とラニーエの甘味がまた合っている。 そして、ローゼマイン様の勧めに従って肉と野菜を一度に口に入れてみた。 一口二口噛んだところで動きが止まる。 ……なんという……。 口内に広がる美味さをどう表現していいのかわからない。 思わずローゼマイン様に目を向けると、輝くような笑顔が返ってきた。 私は再び顎を動かす。 噛むにつれて混ざりあっていく野菜と肉の旨味、野菜の歯ごたえと肉の弾力。 野菜だけで食べるのも、肉のみを食べるのもどちらも非常に美味しかったが、これは両方一度に食べるのが正解だ。 「いかがですか、マティアス?」 「……とても、美味しいです」 馬鹿みたいに面白みのない返事だが、それしか言葉がでない。 美味しさに支配されたまま半ば無意識に食べ続ける。 フォークが止まらない。 ソースが二種類、野菜も何種類もあることで味に飽きもこない。 またたく間に皿は空になり、私はおかわりを所望した。 二皿目を空にして満足の息をついた私を見て、ローゼマイン様が笑った。 「暑さが続いて食欲が落ちているようでしたけれど、これならお肉があまり得意ではないマティアスも量を食べられそうですね」 予想外の言葉に私は思わず目を見開く。 「……ご存じだったのですか」 ……肉が得意ではないことももちろんだが、最近食が進まないことまでご存じだとは思っていなかった。 「騎士職は体が資本ですから。 少しでも食が進むようにフーゴと考えたのです」 何でもないことのようにローゼマイン様はおっしゃるが、側近にそこまで心を砕く方はそういない。 たとえば、『ポトフ』。 根野菜とソーセージやベーコンをコンソメスープで煮込んだ私の好きなスープだが、私の皿には何も言わなくても他の側近に比べてメーレンやラニーエが多く入っている。 たとえば、『ロールキャベツ』。 細かく刻んだ肉とラニーエを葉野菜で包んで色々な味のスープで煮込んだものだが、私や女性騎士が護衛の時にはコンソメスープやポメベースが多く、護衛騎士が男性だけの時はホワイトソースかブラウンソースが多かった。 側近の好みや体調に合わせて細かく変えられる献立も皿への料理の盛られ方も、すべてはローゼマイン様の指示による細やかな気遣いだ。 アーレンスバッハのゲオルギーネ様の元にいるかもしれない父上や処刑された母上のことを考える。 私はほとんど顧みられることのない子供だった。 夕食を共にしても父上と母上だけで話が進み、食後の挨拶さえおざなりだった。 おそらく私の好物など知りもしなかっただろう。 「マティアス?」 目の奥が熱くなるのを堪え、私は自分の定めた主に笑顔を向ける。 「……ありがとうございます、ローゼマイン様。 幸せです」 ローゼマイン様はきょとんとした後、嬉しそうに笑った。 「美味しいものは人を幸せにしますからね。 他にも色々と考えている料理があるのです。 また試食して感想を教えてください、マティアス」 主菜はフェルディナンド様がアーレンスバッハから送られてきたガルネシェルという素材のクリームパスタ、デザートは甘く煮て冷やしたプラーレのクリームがけだった。 いずれも珠玉の味だった。 atwiki. html)に大変お世話になりました。 本編の親子対決前に間に合った…! 発露が迷惑でないだけでマティアスさんの狂信度はハルトムートとどっこいだと思うんですがどうだろう。 親子対決でのマティアスさんの活躍を願って「本好き」チームに捧げます。

次の